チビリの病気についての
治療経過 7月
2002年7月

7月1日(木)

元気で食欲もあるが、お腹はびちゃびちゃ。
様子は変わっていない。

病院へ行く、先生は相変わらず嬉しそうに迎えてくれる。
改善しないので今日から注射の薬を替える。
薬は長い名前だったが色々話しをしていたら忘れてしまった。
今度の薬は筋肉注射で効き目を持続させるとの事。
(皮下注射は吸収は早いが持続性に欠ける)
日本にはあまり入らない薬らしいが、外国で獣医をやっている親戚がいて
それでこの病院に入っている。

抗炎症剤で漿液の浸出を押さえる治療をするが、
いきなり強く効くもの、
ある期間持続して効果を出すもの、
長い期間ずっと効き続けるもの、
と大まかに3種類あって、今日の薬はある期間効果のあるものにあたる。
いきなり強く、は短期間毎日注射になるし、
長い期間効くものは、症状が収まっても効き続けるので危険。
費用:3000円
帰って来てチビリをケージに戻すと、さっそく餌を食べている。


余談になるが、小バエがいるので対処法を聞いた。
まず、バポナは毒ガスなのでとんでもない!と言う事。
活動を押さえるには気温を下げればいい。(確かに冬にはいませんが)
それじゃ現実的じゃない。
広島城のお堀に夏に大発生する羽虫を駆除する為に
虫の卵が孵らない薬を撒いている。
この薬は環境(動物にも)無害で、最近普及して値段も下がって
一般にも手に入るから市役所に問い合わせたらいいでしょう。
しかし勝手に下水に流すのは問題なので市役所の指導のもとで
使うほうがトラブルがなくって良いだろうとの事でした。
ミルワームを殖やしてるママが聞いたら目を白黒させるだろうな。




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7月4日(日)

今日はママが病院に連れていった。
実は、4〜5日前からお腹のびちょびちょがひどくなっていて治療の効果を疑っていた。
良く見ると、左胸のグリグリを引っ掻いたらしくてそこからも浸出している。
一体これからどうなるのだろう?と再びすっかり暗い気持ちになっていた。

今日も注射。
薬の名前はトリアノシノロンでした。
最近チビリはみょ〜に馴れて来て先生とは仲良しになった模様で、大人しくしている。
帰って来ても機嫌が良く餌をねだってきたりする。
話しがそれたが、薬はグリグリを収縮する効果があり、それで自分で引っ掻いたため
一層浸出が多くなっている、それに穴が開いた方が治りが早いかもしれない、と言うお話しでした。
臭いがひどくなったのはリンパ液は臭うそうで症状のとおりです。
臭いので毎日洗った方が良いかと質問したら、
「肌がボロボロになるからダメ」と言う事で、イソジンで消毒なら好ましいと言う事でした。
餌にかける栄養剤をもらって帰った。
今度の栄養剤は臭いので食いつきが悪いかもしれないと言う事です。
もし食べないようなら、工夫するそうです。

昨日、アマゾンに頼んでいた本がやっと届いた。(Exotic Animal Formulary)
英語は分からないので内容は辞書を引きながら見ていかないといけないけど、
この本は獣医用なので先生に見せれば役に立つはず。
しかし、内容は今の所よく分からないけど(情けない)
フクモモのページは7ページしかなく、1/3は鳥の情報のようです。
役に立てばいいけどなぁ。
7月6日(火)その1

急にだが、かなり深刻な状態になった。

ママが、昨日夕方4時頃戻すような声をしているので見たら
ケージに掴まって苦しそうにしているので慌てて病院に連れていった。

診てもらってバイトリルの注射をしてもらい、様子を見るように言われ帰って来た。
左胸のグリグリは裂けてしまって跡形もない。
1時間は水もご飯もダメなのでその後欲しがるのでエンシュアを少しやるといきなり戻した。
先生に電話して話したら、暖かくして落ち着くのを待ってくれと言われた。
不安なのだろう、手の中に包んでいてやらないとやすらまない。

ここからの状態は理解しがたい。
夜半にかけてどんどん元気がなくなっていく。
しかし何か食べたいらしい、時々ゴソゴソ動きまわってしきりに口に入るものをねだる。
ずっとママの手の中で体温が下がらないように抱かれていた。
1時頃には、ママがもうダメなら好きなピオーネをやりたいというので、
やったら喜んで舐めたが10秒後には戻した。
それならとポカリを指に付けてやっても5秒後には苦しそうに戻す。
明日病院に来るように言われているがもう行く事はないだろうと思った。
しかし、2時頃になると遊びたがるようになった。
部屋の中をぴょんぴょん跳んでまわるが、何かに憑りつかれたような感じがする。
当然何も食べられない状態で体力が消耗するばかりなので一層心配になる。
3時頃ママは寝て、ランチボックスのような移動ケージに入れてパパが朝まで様子を見ていた。
4時頃には半透明の移動ケージのフタに向ってジャンプを繰り返す。
しばらく休んでまた暴れるを繰り返していた。
7月6日(火)その2

病院が開くのを待って出かけた。
昨夜の様子からまさか病院に来る事が出来るとは信じられなかったが。

先生は順番はともかくすぐに出てきて様子だけとりあえず見て、
昨日電話した時、手術中でちゃんと案内が出来なくて心配していたと告げた。

今日は点滴をする。
点滴と言うとビニール袋からチューブが出てその先に針がついているイメージだが、
まずフクモモはじっといていないし、針を刺す静脈って言われても想像がつかない。

点滴にはつらい想い出がある、昔知り合いにあげた桃太郎が肺炎を起こし
病院に行って点滴をしてもらったら液の温度が低くショックで死んでしまったことがある。
で、その事を先生に話してやってもらった。
出てきたのは普通の注射器でいつもは0.5ccなのが3ccになっている。
これを数回に分けて首筋に注射していく。
後で聞いたが、動物は毛皮があり皮下注射で吸収でき、温度は注入した時に指先で感じて
温めながら散らしていき、これを繰り返す。
飲めないかも知れないがブドウ糖液をもらって、出来れば食事の代わりにする。

点滴後すぐは心配なので、病院から出て近くで1時間位様子を見ようと思った。
冷房は困るので近くの公園の大きなクスノキの木蔭に行ってみると風が渡って涼しい。
体温が下がらないようにママの手の中にいてうつろだったが
1時間位で元気が出たので病院に寄って様子を見せて帰って来た。
7月6日(火)その3

帰って来るとしきりに出たがる。
出すとぴょんぴょん跳びまわり餌を探しているのだろう。
ブドウ糖液を1滴指に塗って舐めさせてみる。
なんともない様子なのでこれならいけるかもしれないと思った。
午後4時前、餌を探すのに部屋の隅のゴミなどに興味を示すのでママがもう1滴やったら
15秒くらいで戻しだして止まらない。
ママが凄く具合が悪いと言うので、見ると弱りきって戻す仕草も小さく痙攣しているようにしか見えない。
4時20分、口の周りに泡がついているのをぬぐってやると、とうとう力尽きてうなだれた。
ゆうべ逝っていても不思議じゃなかったけど、神様がもう1日おまけしてくれたんだね、チビリ。
8年あまりパパとママのそばで一緒に過してくれてありがとう。
後記:

ご心配を頂いたり応援して下さった方々に心から感謝します。
本当にありがとうございました。

冒頭にも書いたように今回の目的は二つありました。
一つは当然チビリが元気になる事。
もう一つは良い先生を見付ける事。

チビリの件は叶いませんでしたが、
先生は見付ける事が出来ました。
後の連中のことを考えるとチビリには本当に大きな贈り物をもらいました。
ママとこれから先、何回この道を通う事になるんだろうね?
と話しながらチビリを連れていきました。

大事なのは、チビリはどうしても助からないという事が分った事です。
あの時こうしていたら…、という事がありません。
先立ったトトリ、ピピリ、モンキー、さくらには死に目に遭えず残念でしたが、
チビリはパパとママが見守る中で旅立つことが出来ました。


前々から分かっていて今回のこともあったのに経過の中にも書き忘れていたのですが、
フクモモは鼻の色をチェックしましょう。
赤い鼻が健康の印です(高血圧は違うかな?)
チビリや他の具合の悪かった連中も鼻の色は白くなって貧血でした。

さてこれで後、この後記の上にチビリの解剖結果を載せるとこの稿は終りです。

2004年7月7日  ポッコリパパ
この写真は7月4日に撮ったものです。
お腹を洗った後なので一層悲惨に見えます。
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チビリの解剖結果

元から考えていた事で、チビリが死んだ5分後から解剖の話しになりました。
(これは悔しいからです)
その20分後には先生に電話して解剖の意思を尋ねると、是非させてもらいたいとの返事で
有りがたく感激しました。

主眼は今回の腫れ物が取れるか、と言う事ですが他にもフクモモの臓器の配列や様子など
開いてみないと分からない事を勉強したいと言う事でチビリをお願いしました。

結果は:(3つのグリグリを取り出したものを見せてもらいました。)
一番小さかった右胸のグリグリは薄い透明な膜であった。
左胸のグリグリは肥厚して脂肪がついて黄色い小指の先半分程の塊になっていた。
脇腹の袋からの浸出の元になっていたグリグリは大きさは同じくらいだが
真中1/3は茶色で血腫になっていた。
これが癌化していた可能性が高いという事。
膀胱の下部に血腫があって、これが災いしたかも知れない。
腎臓も膀胱もきれいだったから尿路の途中で腹膜内に漏れていた可能性がある事。
等で、直接の原因には触れられませんでした。(分からないのが当り前で複合しているからです)

他には、飛膜があって飛ぶために内蔵が中央に寄っている事。
内蔵は薄く出来ている事。
肝臓、腎臓、脾臓、膀胱などの位置関係が確認出来た事。
内蔵はとてもきれいであった事。(ママは餌が良かったんだろうと喜ぶ)

次回同じ事が起れば、リンパ腫は外科的に取り除く事が出来る事。
(今回しなかったのは分からないのでその時点で死んでしまう可能性が高かったため)
膀胱、尿路も外科的に対応出来るが腹膜内はリスクが大きい事。
等、他にも素人の目には写らない数多くのことをチビリは命と引き換えに残してくれました。

参考のため申し添えますが、
先生は昔、そうして手探りでやってきた事が懐かしく(犬猫が殆どですから)
血が騒いで治療が出来た、といわれました。
これは望む所でポッコリランドとしてはフクモモの権威になって頂ければ幸いです。

このチビリの件で例え1匹でも助かれば幸せです。