チビリの病気についての
治療経過 6月
2004年6月

6月2日(水)

ママと恐る恐るチビリの様子を見る。
相変わらずひと手間かけてくれるのが嬉しい。
やっぱりお腹は濡れていて変わらないがティッシュで拭いてみると血の色が薄い。
「これは!」と思って脇腹のグリグリを触ってみると子指の先くらいになっている。
触って大きさが分かったのは初めてで、今まではその辺りが腫れていると言うだけだった。
しかしこれは怪しい赤い光線をあてたわけじゃない。

怪しい赤い光線(コールドレーザー)をあてた胸のグリグリは:
右胸の新しいグリは小さくなっている。
左胸の大きいグリは先日抜いた事も伴って柔らかくなっている。

嬉しい気持ち半分、裏切られてまた悪くなるんじゃないか、と言う気持ち半分。

ありがたい事に、チビリの普段の様子は変わらない。
先生は前から、自分で気にして咬んだり(自咬症)していないかと言う事を気にしているが、
その様子は全くない。




6月3日(木)

先日から変化なし。
左胸のグリグリは少し大きくなったようだが、大きくなるペースが少し落ちた。
と言う事は、コールドレーザーの効果が有ったみたいだ。
お腹の濡れも「びちゃびちゃしている」から「湿っている」位になった。
しかし脇腹の腫れに対しての治療は現在なにもしていない。

病院で診て貰う。
「良くなって来てるね」と言われても原因不明では安心できない。
レーザーをあててもらって帰って来た。
副作用はなく続けても問題ないそうだ。
費用:680円

犬猫で終らず、フェレットやハムスターでも終らず、
新しい動物を見たら目を輝かせるような先生はいないもんかな。
6月4日

チビリは触られるのをいやがるし、頑固者なので困るが様子を見ないわけにはいかない。
ママと様子を見る。

確かに見た目は良くなっている。
三つのグリグリは小さくなっているし、浸出もかなり収まってきている。
取り越し苦労か、でもなにか違う気がする。

匂いの話し:
昨日先生が「嫌な匂いも収まってきたし」と話した。
ママは抗生物質をやるとあの匂いがすると言う。
パパは今回は匂いはひどくなかったので気にしてなかった。
確かに匂いも減っている。
6月7日

病院に行く。
脇腹の腫れは微妙に縮んできている感じだが、
両胸のグリグリは大きくなっている。
左胸の大きい方は抜かないといけない。

こういった瘤は時間が経つと中で複数の胞を形成するそうである。
今日はチューブが付いた注射針で、針に持ち易くするためか2×3センチ位の水色の
プラスチックの板がついている、針は短い。
刺して吸引すると赤い薄い血のような漿液が出てきて、見る見る腫れが小さくなり
パンパンだった瘤がしわしわに縮んでしまった。
先生は刺して探っている感触から、やはり幾つかの「シスト」(cyst嚢胞)になっているようだ、
と言う。

レーザーは今日はなし。
今日から別の抗生物質を始める事にする。
前のはピンクで濁っていたが、今度のは同じピンクでもドロッとしてなくて
少し透明でシャバシャバした感じである。
嫌がるのを捕まえて飲ませるのはかなりお互いにストレスになるが
同じ2滴づつだが、今度は1日1回なのでチビリともども助かる。

費用:2100円
6月9日(水)

病院に行った翌日、つまり昨日の夜にはチビリの左胸のぐりぐりは大きくなっている。
今日も様子は変わらず困っている。
新しい抗生物質の効果は全く感じられない。
痩せてきているのも確かで、計りたくはないが計ってみると72gまで落ちている。
病院に行き始めた4月の終わりには97gだったから25g減っている。

食欲は変わらず排泄にも何の問題もない様に感じるが、
体の中で病気に対抗するためのエネルギーが大きいのだろう。
6月10日(木)

病院に行く。
月曜に抜いた成分の殆どはやはり漿液だったそう。
コールドレーザーをやってもらおうと思って行った。
左胸の大きいグリグリに照射して、脇腹のグリグリにも初めてレーザーを照射した。

この病気は犬猫ではどうなのか質問した。
犬猫にもよく見られる病気だが、原因は不明で餌とかでなく加齢や体質による可能性が大きい。
リンパ節が何かの原因で浸出を起こすのかも知れないがはっきりしない。
犬猫でも転移するがその原因も不明で同様に細菌性のものは少なく
ひょっとしたらそれらは繋がっているかもしれない。
一般的な治療は壊死を起こさない程度に圧迫しておくと自然に納まるが、
根本的に治すには手術で取り去るが、それにはフクモモは小さい。

グリグリはレーザーに任せて薬とで様子を見る事にする。
細菌感染を起こせば必ず破裂するが現在無菌なのでその心配はないそうだ。
小さくなってなくなれば、まず心配ない、との事。

費用:530円
6月12日

ママが病院に連れて行く。
費用:530円
間1日だが続けてレーザーをやってみる事にしたのと休みの都合があった。
皆さんからの情報も頂いてチビリの病気の実態が垣間見えてきた。
良性の腫瘍の一種らしいが、脇腹のグリグリから袋を通しての浸出はビジュアル的につらい。

先生はお腹の湿った部分を清潔に毎日拭いてやる様に、と言われる。
薬も1日一回とは言えやらなければならない。

チビリはとにかく触られる事を嫌うので、これがストレスになっているとママと話した。
ストレスは免疫力を落とすし、とにかくガンコなチビリだから。
たまにポーチの上で休んでいる事はあっても隅のほうで丸くなっている事が多くなっている。
それで10日からしばらく触らない様にした。
お腹の湿りはガマンして貰うことにして、薬は掴まえてやるのじゃなく
お腹の空いている時にパンの小片に沁みこませてやるとすぐに食べる。
ケージの並びも文平とデンの間のガチャガチャやかましい位置から替えた。

簡単に?かどうか分からないが効果は顕れた。
まずいつもポーチにいる。
餌を食べる量が増えたし、おやつの気配(ビニール袋の音等)には敏感に反応する。
寛いでいる様子が目に明らかに感じられる。

そう、横目でパパやママの様子を見ながらチッ!とか言ってるチビリが可愛いのです。
(でもこれじゃ、病気の様子が分からないのが困るよ)
しばらくこのままがいいんじゃないかな?
6月16日(水)

数日間触らずにいると元気にしている。
ご飯の量も増えている。
しかし、今日は病院で診てもらうので様子を見た。
相変わらず胸は浸出液で濡れている。
左胸のグリグリだけ大きくなっている。
右は小さくなっている。
脇腹のグリグリも少し小さくなった。
体重は餌の量が増えたにもかかわらず、70gを少しきった。

病院でレーザーをあててもらってきた。
先生は、胸のグリグリは固くなって来ているのでこのまま落ち着くかもしれないと言う。
しかし、袋からの浸出が気分を暗くしている。
費用:530円

もう2ヶ月になり、なんの進展も見られない。
他の動物病院に診てもらおうと思ってTo動物病院に電話した。
フクロモモンガの経験は少ないので他のエキゾチックのフェレットやうさぎに準じて
薬を出す事は出来るがそれでもよければ来て下さいとの返事で、
高齢のメスであれば、生殖器系の腫瘍の可能性が高い、この場合手術で取り除くが
袋の中と言う事になれば手が出しにくい。
抗生物質は草食動物には(あてはまるか?)使える抗生物質に制限があって
現在使っているとすると新しい物も難しい。
と、丁寧に教えてもらった。

安佐動物公園(広島市の動物園)にも電話して聞いた。
閉園時間を過ぎていたが、係りの人(何の係りかな?)に教えてもらった。
返事は:
園外の獣医に診てもらうのでなく園内のことは園内で処理するので、獣医を紹介する事は出来ない。
園内の獣医も分かってやっているのではなく、固有の代謝などを参考に類推して対応しており、
簡単ではない。
一般の獣医もフクモモを何度か診た事があるといえばたいした物で、やり方は同じにならざるをえない。
と言う事でした。

チビリは数日機嫌が悪いだろう。
ちょっと暗い気持ちのままである。
6月21日(月)

とうとう、と言うかやっと見つけた。
車の運転をしないパパにとっては少し遠い、といっても電車とバスで片道45分、交通費450円は
中央なら目と鼻の先だ。
昔ベビーを里子に出した人から聞いたN動物病院に行った。

中央のペットの関係で育ち、色々な動物を診てきた先生で前にお世話になった澤先生の臭いがする。
こちらの先生も澤先生が亡くなって広島でフクロモモンガを診る先生はいなくなったと言われた。
今思うと、澤先生は軍医のような扱いでイソジンの消毒でもこれでもかと言うくらい塗って
「消毒はこうやってやるんだよ」と笑っていたし、「これはね、切った方がいいんだよ」と説明してるのかと思ったら
手元ではすでに切っていたりするのが普通だったから今になってよそに行って良く分かった。
フクモモは患者の中でも珍しいから喜んで、ピピリの抜歯の時には、
「ついでに歯垢をケーシングして…、それからあれをこうしてこれをこうして…」と夢見るように話し、
仕舞には「よ〜しっ!」と気合を入れていたのを思い出す。

話しがそれたが、ここの先生もフクモモを見て嬉しそうな感じがする。
チビリはリンパ腫(腫瘍ではない)で、腋下リンパ節が過剰な免役反応を起こしリンパ液が溜まっている。
(確かに人間にもわきの下や両足の付け根にあるから、それが腫れたんだね、場所的にも分かり易い)
原因は加齢と体質で今までと同じ所見だが、
これは命に関わる病気ではないので心配しなくて良い、
体重は減るが一定のところで落ち着く。

治療は免役作用を押さえるバイトリルの皮下注射を首の後ろにしてもらって様子を見る。
(免役の薬は押さえたり向上させたりするが同時に使うこともあって効果はその薬によって特殊化しているようである)
薬は無し、免疫を押さえるので栄養補給が大切なので秘伝の(かな?)餌に振りかける栄養補助剤を貰ってきた。
しかし、リンパ腫は肥厚しているので完治は難しく程度はともかく繰り返すことになるだろう、との事。

触るコツを教えてもらった(これはまぁ、今更だけど)
まず怖がらない事、そしてびっくりさせない事。
獣医は触れない動物を診るべきではないと言う、これは澤先生と同じ意見。
注射の時、「大丈夫、注射した事ありますから」とことわられたが、開業20年余りだから不思議に思っていたら、
ママが「先生うちのHP見たんじゃないの?」と言った。
先生、見てたらごめんね。

費用:3600円

チビリが頑固で薬とかで掴まえるとケージの隅で丸くなったりする話しをすると処方を変えたりして
非常に行き届いている。
餌についても雑食(大抵草食と言われる)だから、と理解が深く安心した。
6月23日(水)

ママがN動物病院に連れていく。
こういう先生は、珍しい患者が来ると喜ぶので、さっそく暗い所に持っていって触っている。
(自分でも難しい仕事の方が面白いから気持ちがよく分かる)
殆どが犬猫だから血が騒ぐのだろう。

脇腹のグリグリは少し小さくなったかもしれない。
今日も注射して貰う。
食欲や薬のやり方の質問をされて、
食欲はさらに増したようだが、ミルワームに振りかけてやると
避けて食べようとする(先生も臭いからねと言った)ので
充分に混ぜると仕方なし?に食べていると返事をした。
費用:3000円

帰って来てケージに戻すと、チビリがすぐに出てきてポーチから逃げようとするのかと思ったら、
餌をクレクレ光線を発射してミルワームを20匹もらって食べた。
今までに無かったこの食欲には少し戸惑いを感じるが、
体重が増えて抵抗力も増すと思うと喜ぶべきか。
6月28日(月)

病院に行く。
先生から次は土曜か日曜にという事だったが、都合が悪くて今日になった。
チビリが来ると「待ってました。」とばかりにこにこしている。
今日も注射をして貰う。(書き忘れたが、注射後、一時間はご飯も水もダメ)
日を詰めて注射して、薬の血中濃度を落とさず経過を見たいとの事。
(この薬も続けられるのは2週間位かもしれない)
お腹が濡れているのも本当に若干だが納まってきた感じがする。
先生も手に持った感触が重量感が出たし、骨が触る感じが減って来た、と言う。
先生は本当に嬉しそうに触る、治療の時は大抵飼い主にちょっと持っててくれと言われるが、
自分でやるからと言って、「おー、よしよし」なんて言いながら注射している。
費用:3000円 ちょっとお金の掛かる治療になってきたかな。

帰って来て、
納まってきたか?とは言え、相変わらずお腹やお尻は汚れているので湯を使った。
たいして大騒ぎもせずにさっぱりした。
しかし濡れるとグリグリが目立つ、両腋の下と左の股関節と3つ、
大きさは変わらないが前ほどは心配がなくなってきた。

病院に行ったり湯を使ったりで、機嫌を大変に損ねているのでご機嫌をとらないといけない。
サクランボとミルワームをやったら夢中で食べていた。
注射を初めてした頃から、元気と食欲が妙に出てとにかく食べている。
体重を計ったら72g、最低だった67gから5g増えた。
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