親から離して半日から一日はペットミルクを与えても飲みません。
たぶんペットミルクの匂いが母親のミルクの匂いと違うからです。
ですから無理に飲ませることはありません。
保温がちゃんとしていれば一日くらいは放っておいても心配はありません。
ただ、ミルクをねだって「ウィジュウィジュウィジュ」と一晩中鳴かれるのは覚悟してください。
ミルクの前には必ず排泄をさせます。 →(やり方の動画はこちら)
左手でしっかりと赤ちゃんをつかみ、しっぽの付け根を探すとピンクの小さな肛門が見えます。
ティッシュペーパーでツンツンと刺激して、うんちとオシッコを促します。
このとき、「シィーシィー」と言ってやると、赤ちゃんも「シィーシィー」と言ってオシッコをします。
ふしぎな話ですがこれは本当です。フンフンとも言います。
刺激してもすぐにはしない事もあるのでしばらく続けて下さい。
しかし、あまり強くこすると肛門を傷つけてしまうので気をつけましょう。
フクロモモンガは、うんちもオシッコも生殖・出産も全てこの一か所で行います。
オシッコは一滴・一滴出てきます。親から離してしばらくはさほどの量は出ません。
うんちははじめはしない事がありますが心配はありません。
授乳が順調に行けば黄色いりっぱなうんちになります。又、個体によっては黒いうんちをする子もいます。
これも、授乳が順調に進むうちに黄色に変わってきます。
うんちとオシッコが済んだら、ミルクをやります。
※授乳後、1時間〜2時間したら、再び排泄を促して下さい。
( 授乳の動画はこちら )
まず、ティシュペーパーを2枚丸めて赤ちゃんにかかえこませます。こぼれたミルクを吸い取る為です。
冬場、寒いようならポーチに体を半分入れた状態で授乳させると寒がらずにおとなしく飲みます。
コーヒースプーンにミルクをほんの少しすくい取り口先にもっていきます。
(ポリのタレビンなら簡単です。)
「ペロペロ」と舐めればOK。今度は多目にすくって飲ませて下さい。
もし、「いやいや」して飲まない場合はもう一度与えて見て、
それでも飲まない時は2〜3時間置いて再挑戦してみて下さい。
冬場、途中でミルクが冷たくなりすぎると飲まなくなります。
湯せんして温めながら飲ませます。
最初の内はミルクを少ししか飲みません。
親からの1回の授乳量が少ないからでしょう。
人工授乳をはじめると飲む量は序々に増えます。
首を横にそむけるまで与えてかまいません。
中には、授乳の途中でコックリ、コックリ居眠りをする子もいます。
スプーンで口をツンツンして起こしましょう。
授乳時間は深夜・早朝も起きて人間の赤ちゃんと同じように与えなければなりません。
私は普通の会社に勤めていますが、上司にお願いして授乳期はベビーを
移動ケージで会社へ連れて行って面倒をみます。会社の理解に感謝しています。
■ 授乳の時間 | |
最初の1週間 | 2時間〜3時間置き |
2週間目から | 4時間置き |
3週間目〜4週間目 | 6時間置き |
大体の大まかな目安です。 親から離した時期によって異なります。 |
母親からの一回の授乳量はとても少なく、赤ちゃんを満足させられる量ではないと思います。
双子の場合などはなおさらです。
ところが、人工授乳をはじめると満腹になるまでお乳が飲めます。
しかし今まで少しだったのですから、胃袋もそれなりの大きさしか受け入れられません。
ですから、最初の授乳時間の間隔も短いのだと思います。
序序に量も増えて授乳間隔も広がっていきます。また、満腹になるので良く寝てくれます。
「寝る仔は育つ」です。
比較した事がないのでわかりませんが双子の場合、そのまま親に育てさせた場合と、
途中から人工授乳に切り替えた場合とでは、個体サイズに大きな差が起こると思います。
もちろん、満腹な授乳を受けられる人工授乳の仔の方が成長も早いと想像します。
ただし、動物も人間もいっしょで、病気への免疫力は母乳にかなうものはありません。
母乳を出来るだけ飲ませるため、仔離しのタイミングには充分配慮したいものです。