片足切断に至る経緯


事故の様子


冬場は寒いだろうとムートンのマットをポーチにしたりムートンのスリッパをねぐら代わりに与えたりしていました。事故が起こった当時はムートンのスリッパでした。このスリッパの内側の面の裏地をチルミルはバリバリと破いて入り込んでいました。
だ〜りんの家族の結婚式を翌日に控えた日か、結婚式当日か、どちらかでチルミルは爪を裏地に引っ掛けたようです。そして、外れなくなったためめちゃくちゃに暴れて裏地のほつれた繊維がどんどん脚に絡まりギュウギュウに締まって身動きがとれなくなった状態で一日半くらい過ごしたと思われます。結婚式の前日顔は見せたので元気だと決め込んでエサだけ取り替えて翌日の結婚式に出席し、くたくたになって帰宅した夜、チルミルが「じい〜じい〜」と鳴くので覗いたところ、脚がすでに干からび始めてました。はさみで繊維を切り取り、夜でも診察してくれる病院を探し電話してみましたが繋がらず、結局翌日の昼間に○ーゲルに連れて行きました。

切断するまでの悩み

脚は壊死しているので出来ればすぐに切除したほうがいいが、手術するには年齢も高い上にふくろももんがは抗生物質に弱く抗生物質が原因で体調を崩し亡くなるケースもある、麻酔もイマイチ確立されていないので決して大丈夫と言い切れない、一番いいのは壊死した部分がぽろっと自然に落ちてくれることだが、関節よりも上まで壊死しているとそんなうまいこといかない、ということでした。事故の直後でチルミルが体力を消耗していたこともあり、しばらく様子を見て体力を回復させることを優先しました。何日かで膝から下の壊死した部分は肉が取れ、骨がむき出しになりました。から揚げの骨むき出し状態です。チルミル自身は旺盛な食欲で体力を回復して元気にケージ内を飛び回るぐらいになりました。でも骨はさすがに取れません。感染症にならなければこのままでもいいのですが、骨の壊死がどこまで進んでいるか開けてみなければわからない、骨の中で感染症が起こっていると骨を伝って体内にまで進むので危険だということで、手術を勧められました。ただしやはり麻酔や年齢から来る残念な結果については責任が持てないということでした。悩みに悩んだのですが、オーストラリアでは有袋類の手術も結構行われているようで先生なら手術に必要な情報も得ているだろうし、開けてもらってほっといても大丈夫そうならそのまま閉めてもらってやっぱり切らなきゃダメなら切ってもらおうという結論になりました。ただ、自分の目で確かめないと気がすまないので「手術は立ち会いたい」とお願いしたのですが、それは断られました。術中の写真や映像は撮るのでそれをお見せしますとのことでした。日を決めて昼12時ごろ病院に連れて行きました。

切断後の経緯

残ってた骨が身体の内部に入ったあたりまでダメになっていたのでそこまで切断しましたとのこと。肉は骨の周りで盛り上がってほっといてもくっつきそうだったので皮を縫い合わせただけで終了したそうです。術後の回復は順調だったので夕方には迎えに行きました。「しばらくは抗生物質を与えてください。感染が怖いので」と言われ抗生物質を出されました。
ここで、私たちの判断で抗生物質はやらないことにしました。何故なら、まず手術が終わった時点でチルミルが元気であることと「患部に炎症はなくきれいな状態」、「肉は穴が閉じかけで縫わなくても大丈夫」とおっしゃってたこと、先生は「有袋類は抗生物質に弱い。これが原因で急に悪くなることもよくある」とおっしゃってて、ふくももサイトでも病気でやむなく抗生物質を与えていておなかの調子を崩し苦労している話を目にしていたからです。抗生物質ナシで様子を見て、特に炎症を起こさなければそのままにするつもりでした。
結局抗生物質の投与ナシで乗り切ることができました。これは私たち飼い主の責任においてやったことで、決して人には勧めません。たまたま乗り切れただけだと思います。

事故の原因

爪が引っ掛かる素材が直接の原因ではありますが、チルミルはムートンの毛にもよく引っ掛かって困ってました。爪きりの問題もあるでしょうが、それ以前にチルミルは引っ掛かった爪を引き抜く力が弱かったようです。これはもしかしてチルミルの2歳過ぎまでの食生活に問題があったかも知れません。
チルミルはもともと獣医さん相手のMRをしている友人が飼っていて、獣医さんが国内ブリードのふくろももんがの子供を飼わないかと友人に勧めて買わされたらしいです。そのとき、ふくろももんがは主食が樹液だから昆虫用ゼリーを与えておけばいいという獣医さんの説明だったらしいです。友人夫婦に子供が出来たのをきっかけにうちに来た時点ですでに2歳くらい、それまでずっと果物と昆虫ゼリーと爬虫類用のビタミン補助剤しか食べたことがなかったのです。うちでもしばらくはその調子でした。次第にハムスター用のペレットを一緒に与えるようになりましたが、それでも動物性蛋白の摂取量は少なかったと思います。昆虫ゼリーもプロテインが入っているのですが、雑食動物の筋肉を育てるほど十分な量ではないかも知れません。
そういうわけでチルミルは成長期に筋肉を十分に発達させることが出来なくて爪を引っ掛けやすくなってしまったのではないでしょうか。
私が動物性蛋白の必要性を十分認識していなかったために起こった事故かも知れません。うちに来てからでも間に合ったかもしれないのです。。

チルミルの事故が全国のふくももオーナーさんの参考となればと思います。